革財布のお手入れに関して、「小まめなお手入れ」を推奨している方も存在していますが、私は日々財布を使用していること
(手で触れること)を大切なポイントと考え、原則的に”こまめなお手入れ”は不要と考えています。
*何かを加えること(お手入れ)
は、結果として革財布の「風合い」「色」「特徴」などを変化させてしまう要因となるから。
ここでは、自然体でコードバン革財布を楽しむための「お手入れ」「修理」に関する情報をご紹介したいと
思います。
革財布のお手入れに関して、「小まめなお手入れ」を推奨している方も存在していますが、私は日々財布を使用していること
(手で触れること)を大切なポイントと考え、原則的に”こまめなお手入れ”は不要と考えています。
*何かを加えること(お手入れ)
は、結果として革財布の「風合い」「色」「特徴」などを変化させてしまう要因となるから。
ここでは、自然体でコードバン革財布を楽しむための「お手入れ」「修理」に関する情報をご紹介したいと
思います。
コージバン財布には、大きく分類して4種類(水染めコードバン財布、オイルコードバン財布、ナチュラルコードバン財布、蝋引きコードバン財布)が存在しています。
CORDOVANの種類によって、特性が異なりメンテナンス要素にも違いが存在していますが、まずは【共通要素】を取り上げて
みたいと思います。
■革の繊維方向(長手方向)に沿ってブラッシング
コードバン財布の日常的なお手入れとしては
*革表面に”埃・汚れ”が付いたときにふき取ること
が主たるメンテ要素となります。
その時「コードバン財布」ならではの注意点があります。それが
*埃などに対して、ブラシッシング及び布クロスで軽く拭き取る場合、なるべく「革の繊維方向」に沿って動かす
ことがとても大切なポイントとなります。
それはCORDOVANは革繊維が同じ方向に揃っているから。繊維方向に対して、垂直方向にブラッシングをしてしまうと
「革表面に細かな擦り傷」が生じてしまう可能性があるからです。
基本的に「長財布」であれば財布の”長手方向”が繊維方向となっていますので、なるべく、繊維方向わ意識してブラッシングをするように
心がけていただければと思います。
「蝋引きコードバン財布」の場合は、キズが付いても目立ちにくく。「ナチュラルコードバン財布」の場合は、”擦り傷”などを含めて、
経年変化の風情として、楽しむべきものとなります。
ゆえに、”擦り傷”が目立ってきたときにケアが必要となるのは主に「水染めコードバン財布」と「オイルコードバン財布」が対象と
なります。
”スリ傷”程度であれば、コードバンに適した「お手入れ用ブラシ(M.MOWBRAYミニホースブラシ)など」を使用したブラッシングにてキズを消すことができます。
コードバン財布の「くすみ」「曇り」が目に付くようになり、艶が失われた時には、「コードバン専用クリーム」
にて、お手入れすることとなります。
ここで大きな注意点がひとつあります。それが「コードバン専用クリームの種類」です。
少々複雑なのが「コードバン用クリーム」として販売されている商品であっても、「水染めコードバン」「ナチュラルコードバン」に
使用できるものと「オイルコードバン」に使用できるものが分かれているということ。
さらに、「蝋引きコードバン財布」は、CORDOVANなのですが、「ブライドルレザー用クリーム」を使用して、お手入れした方が良い
ということです。
この違い(使用するクリーム)さえ間違えなければ、お手入れ自体は簡単なもの。お手入れの流れは下記(動画)をご参照ください。
■おすすめのコードバン用クリーム
・水染めコードバン財布用
:長谷革屋・プロ仕様コードバン用ワックス
・オイルコードバン財布用
:[サフィールノワール] コードバンクリーム
・蝋引きコードバン財布用
:[コロンブス] ブライドルレザークリーム
コードバン財布は、水濡れに弱い財布となります。特に「水染めコードバン財布」は”水シミ”が目立ちやすいので、水濡れに対する
ケアはとても大切な要素となります。
基本として、心がけておきたいのは
*水が付いたら、すぐに拭き取る
ということ。これに勝るお手入れはありません。
ですから、普段から「革財布用のお手入れ布クロスを一枚持ち歩くように心がけていただければと思います。
”水シミ”が生じてしまった場合は、「お手入れ専用クリームなど」を使用したメンテナンスをすることに。
下記動画は「コードバン靴の水シミ消し方法」となりますが、財布も同様のお手入れ手順となりますので、ご参考に
していただければと思います。
”水染めコードバン財布”の艶が失われる主なる原因のひとつが「革表面の毛羽立ち」です。
”毛羽立ち”を寝かせることによって、再び、光沢感がよみがえります。
メンテナンスの基本は「コードバン専用クリーム」を使用すること。前項「くすみ・曇りのケア」と同様のお手入れとなりますので、
そちらをご参照していただければと思います。
ここ数年の傾向として、コードバン財布の内装仕様が多様化してきています。
昔はコードバン財布と言えば、内装は「ヌメ革(ベージュ色)」だったのですが、近年では「オイルレザー」など様々な革・色
が使用されるようになりました。
そういう状況ですので、「内装革のクリーニング」も革素材に適した方法が求められるようになっています。
とはいえ、内装のお手入れの基本は、「埃・汚れを落とす」こと。
埃・汚れに気づいたときに、軽くブラッシングを心がけていただければ十分かと思います。
”コードバン財布”に限った話ではありませんが、革財布を使用しているうちに、損傷が生じて、自分ではケアできない
状況となることがあります。
そんなときには、革職人に修理(革製品の修理専門の職人さんも存在しています。)を依頼することに。
ここでは、修理が必要な要素として
*ファスナーの破損(開閉不良)
*革の頑固なシミ
を取り上げてみたいと思います。
主には「ラウンドファスナー長財布」が対象となりますが(小銭入れポケットのファスナーなども対象に)、ファスナーの開閉が
出来なくなる(しにくくなる)のは、下記4つのパターンがあります。
1.ファスナー取っ手の破損
2.ファスナー金物の欠損
3.ファスナー化学繊維が絡まる
4.ファスナー縫製のほつれ・破損
「1」のケースでは、「スライダー金物の交換」が必要に。。
「2」「3」「4」のケースでは、基本的に「ファスナー交換」が必要となります。
実情として、”ファスナー修理費”はお店によって、結構違いが存在しています。
ただ、一般的な目安としては
*スライダー金物交換:¥3,500円~¥4,500円/一か所
*ファスナー交換:¥8,000円~¥15,000円/一か所
となっています。
ただ、「ファスナー交換」に関しては、要注意で単に”費用”だけで判断してしまうと、後々後悔してしまう
ことがあります。
それは「もともとの縫い穴を意識・使用した丁寧な再縫製によるファスナー交換」と「縫い穴を気にしないで新たにミシン縫いにて
行うファスナー交換」の2つの方法があるから。
当然、前者(丁寧)の方が費用も高く、後者と比較して”倍程度”の違いがあることも。
「費用」と共に「ファスナー交換方法」も確認の上、修理依頼先を決めるようにしていただければと思います。
革財布に付いた、頑固な汚れやシミでも、修理・補修専門業者(職人)に依頼すれば、綺麗に復元できるケースが
多く存在しています。
安価な革財布の場合は、修理を依頼するよりも正直「新品に買い替え」した方が効果的なものですが、貴重で高価な
コードバン財布の場合は、修理依頼に値する価値があります。
自分でなんとか対処しようして・・さらにダメージを拡大してしまうというケースも少なくないもの。
高級アイテムのコードバン財布の「シミ抜き」などは、最初から専門業者に依頼した方が良いかもしれません。
”水染めコードバン財布”は水濡れにとても弱い革財布となります。
それゆえに、水染めコードバン財布に対して、”防水スプレー”の使用を推奨する方(SHOPなど)も少なくありませんが・・。
私は経験的に、「水染めコードバン財布への防水スプレーは不要」と考えています。
実際は”不要”というよりも、水染めコードバン財布への防水スプレー使用によって、逆に「艶感が鈍ってしまったり」
「シミが生じてしまう」というトラブルの可能性があるから。
”コードバン靴”などとは異なり”コードバン財布”の場合は、雨に当たる可能性は低いもの。
水が付着したときに、即拭き取ることを心がけていれば十分かと思います。
ここまでに、コードバン財布のお手入れとして、「お手入れ用クリームの活用ケース」をご紹介いたしました。
メンテナンス例のように、長く使用している中、トラブルが生じたときにクリームを活用することは、好ましいことと
思います。
ただ、時折、愛着の深さゆえに、一週間に何度もクリームを使用して、革財布を磨く方もいるようですが・・。
正直、そのような使い方はあまり好ましくないものと考えています。
それは、クリーム成分(クリームの使い過ぎ)によって、コードバンの風情が変化してしまうから。
なるべく、それぞれのCORDOVANが持っている特性・風情を末永く活かしたいものです。
日常的にコードバン財布を使用している状況であれば、定期的なお手入れはあまり必要としないもの。
使用する機会が少なくなって、「保管」したおくことが多くなったときは、定期的なメンテナンスを意識して
いただければと思います。